導入事例

【HubSpot導入事例】Fringe81株式会社がインバウンドマーケティングで問い合わせ数2倍にした打ち手を全公開!

 
fringe81株式会社 代表取締役社長 田中弦氏

インバウンドマーケティングを実現するための強力なツールとして、米国では9,000件の導入事例を誇る「HubSpot」。日本でも昨夏以来、徐々に業界を中心にその名前が知られるようになってきた。
しかし、様々な機能をフル活用できている企業は少ないようだ。ビジネスの場で利用している企業は何を目的にHubSpotを導入したのか? その魅力とは何か――?
その疑問に答えるべく、実際に2012年11月から導入を開始した「Fringe81(フリンジ81)」の田中代表取締役社長にうかがった。


導入前の課題 ~HubSpotを導入しようと思った理由は「統合管理と売上管理」

まず、導入前の状況を教えてください。

当社は既成のサービスにひと工夫もふた工夫もしたソリューションを提供しているベンチャー企業です。提供するソリューションは年ごとに増加しており、競争力のある製品として多くの企業様に導入頂いています。実際に、その頃も売り上げは順調に伸びていました。そのため、受注前のKPIを整理・設定すればもっと上を目指せる、と考えていました。

他方、当時の状況としてはいろんな課題がありました。まずはリードから顧客になるまで時間がかかることです。新規の取引先ならば導入していただくまでに、お客さまへの啓蒙も含めると通常1ヶ月~3ヶ月はかかるような状況でした。導入して頂いた後、既存の顧客は新しいソリューションを提案するごとに都度組み合わせて使う、というケースが増えたため、それぞれのソリューション担当者から同じ内容のメールが届く、といった混線が生じることもあったようです。

加えて、アクセス解析はGoogle Analytics、顧客リストはエクセル管理、メールはBCCで既成のメールソフトを使うなど、すべてがバラバラに管理されていて、ほとんど何も管理されていないような状態でした。

そうした状況を見て、「問い合わせの質と量が、今後の事業展開上、非常に重要だ」と感じ、「バラバラにマーケティングをやっていてはいけない」と考えるようになりました。

HubSpot導入のきっかけは、2012年の夏、8月か9月くらいのこと。高広さんが、「HubSpotがすごい」と言っているのをFacebookで見かけたためです。
「良いと思われるものは何でも試してみないといけない」と思う性格の私は、「そんなにいいならテスト導入してみよう」と思って、まずはトライアルで米国のHubSpotを使ってみることにしました。

しかし、実際にHubSpotを使ってみようと思うと分からないことが多くありました。そこで、「どうやって使えばいいですか?」と高広さんに相談したことがきっかけで、マーケティングエンジンにHubSpotを提供してもらうことになったわけです。

ここでお分かりのように、HubSpotを導入するきっかけとなったのは、「インバウンドマーケティングをする」というよりも、「顧客となるまでの情報を統合管理し、可視化する」ということだったわけです。つまり、我が社が求めていたのは、「顧客情報やリード情報、リードになる前のKPIをすべてオンラインで統合管理でき、メールやウェブサイト改善までアクションできるもの」でした。


Fringe81によるHubSpotの使い方 〜必要なスキルは「やり切る能力」

Fringe81 サイト

すぐに使えるようになりましたか?

はじめは、「まず使ってみることが重要で、よくわからないまま使ってみた」というのが正しいでしょう。ちゃんと使えるまでは、「なんでこれを申し込んだんだ?」とか、「チュートリアルやヘルプの英語をどう読み解こうか……」と思うこともありました。

しかし、「ボタンをたくさん作って出せばいいんだ!!」というヒラメキが出てからは、ブログからプロダクトページへのCTA(=Call to Action)数を見て、改善につなげるという「HubSpotの使い方の道筋」が見えてきました。

順を追って説明するとこうです。まず、Fringe81では、アナリティクスの機能から使いはじめ、現状分析をしました。例えば、ブログを書くとどのくらいの人数が来てくれるか、プロダクトサイトには1日どのくらいユニークユーザーが訪問するか、といった点から数値を観測していきました。

次に、すべての問い合わせボタンをCTA化しました。フォームもHubSpotで生成するなど、資料請求といった"ゴール"までの中間プロセスをCTAの数値で把握しはじめました。
そうした数値を元に、「どのようなデザインのボタンであれば、押していただけるのか?」を考え、ボタンの色や文言などを変更していきました。そのほかにも様々な方法を試しました。問い合わせフォームの記入項目について、「お名前とご担当者名だったらどっちの方が書かれやすいか?」や、「質問数を極端に少なくしたらいいのか?」などの検証を繰り返したのです。
いまでも、「問い合わせボタンなどを押していただけた後、どのようなフォームや書き方であれば、ドロップ率が防げるのか」を、週次で確認し、適宜チューニングしています。

こうした検証を簡単に繰り返せるのは、まずはアクセス解析を使って正しい状況把握をし、その後のプロセスをCTA数を元にさらに細かく分解して、CTAレートやドロップ率を参考に改善ポイントを探してA/Bテストを繰り返す、という地味だけど大切なことが「HubSpot」ならワンストップでできるからです。

ここまでFringe81でのHubSpotの使い方を紹介しましたが、使うために必要なものは「まずは英語」です。
いろいろ機能があるので、最低限の英語が分からないとクリティカルな失敗をしてしまうこともあります。その次は、KPI管理とPDCAを徹底して回した経験だと思います。
実は、HubSpotを使うために「高度な能力が必要」とは思いません。やりきる、使い切る、結果を出す、その能力(もしくは気合)が必要なのだと考えます。


問い合わせ件数が2倍に ~地道な作業の積み重ねが高い効果をもたらす

HubSpotを導入して効果は現れましたか?

Fringe81が導入を開始したのは11月からですが、HubSpotの機能に慣れてKPI管理をし始めたのは1月からです。その1月から2月の問い合わせ件数は2倍に、3月も1.5倍のペースになっています。まだまだ上を目指せると考えています。

特に、CTAのKPI管理と、メール配信をルーチン化してKPI管理していったことが効いているのでしょう。その工程はすごく地道ですが、コツコツやっていくのみだと感じています。
ですが、すべてが数字になって見えてくる、これはとても分かりやすく良いことだと思います。


 
fringe81.jpeg管理の仕組みとこれからの取り組み

どのようにHubSpotを使って数値管理をしていますか?

現在、社長の私とマーケティング担当役員が毎日HubSpotのダッシュボードを見ています。そして、1日1時間ほど"作戦会議"をして、改善のポイントなどを話し合い、それをリスト化して、作業が必要なものは社内のデザイナーに依頼するなどしています。

これがきっかけになって、デザイナーも反応数などの数字を気にするようになりました。数字という指標がいわば神様になって「良かったのかそうではないのか」を、判断しやすくなったからでしょう。自己満足ではなく、数字で評価できるのはいいことです。HubSpotを導入したことは、デザイナーにとっても良かったと思います。

数値を見ていると、最近は「コンテンツが必要だな」と思うようにもなりました。というのも、Fringe81はアトリビューションサービスを行っているので、検索から流入するユーザーが多くいらっしゃいます。そうなると、ユーザーが求める情報を盛り込んだコンテンツを作らなければいけません。コンテンツ制作はボタンより時間がかかりますが、そろそろ手を付けたいと思っています。


Fringe81田中社長がアドバイスする「HubSpotの使い方」

これから導入を考えている方にアドバイスはありますか?

1: 捨てるものは捨てる

数値管理をする場合、Google AnalyticsとHubSpotでは定義が違うので、どちらかに選択しなければ大混乱に陥ると思います。弊社では、今までのものは捨てる勢いで取り組みました。

2: 平均値を取る

数字を管理し始めたとき、「土日の数値は下がる」や「プレスリリース配信をした後は数字が伸びる」といった現象が正確な管理をする上でやっかいなものだと気付きました。
そこで、それら"異常値"を排除して、平均値からの"とび抜け度"を見るようにしました。

3: ゴタクを並べる前にやってみる

「インバウンドマーケティングをやろう!」というだけでHubSpotを使いはじめると、思い悩む部分が出てくると思います。そのため、「KPI管理や統合管理をしていくために頑張ろう」といった別の視点を持った方がいいと思います。
でなければ、「どうしてこの設定が必要なの?」という点でつまずいてしまうからです。もちろん、英語だから抵抗のある人もいるかもしれません。
しかし、そんなことはいったん忘れて「HubSpotにはこういう設定が必要なんだ」と頭を切り替えて取り組んだ方がスムーズに進むと思います。

4: 改善は自己否定の連続。トップが取り組もう

HubSpotではすべてのコンテンツの良しあしが明確に現れてきます。それは、自分はこうした方がいい、と思ったことに対する「自己否定」の連続とも言えます。そのため、現場の担当者に任せるのでは荷が重いものになります。
Fringe81では、例えばブログ記事、製品ページのコンテンツはすべて社長が執筆しています。今後は取り扱う話題によってはプロダクト担当者が書くこともあるかもしれませんが、改善するためのポイントを確認する作業はその上長の役目にする予定です。

ありがとうございました。

Fringe81

「新しい発見を提供し、物事の見方を変える」をビジョンとして、第三者配信アドサーバー、タグマネジメントツール等を自社企画・自社開発するソリューション会社。また、アトリビューション分析のコンサルティングや広告運用などのサービスも行っている。

社名:Fringe81株式会社
業種:マーケティングソリューションの開発と、広告コンサルティング
従業員数:40名(2013年3月現在)
ウェブサイト:http://www.fringe81.com/